写真集「ゆびさき」に込めた想い。

以前私のHPにあった、写真集「ゆびさき」に込めた想い、解説書をアップします。(読みやすい様に、最後からアップして1〜12を並べています。)

1、電車の車内

電車の車内
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「ゆびさき」は、最初一人の女性とそのまわりの風景で構成されていました。
その頃の私は、ギャラリーを立ち上げて2年目で、少しは落ち着いてきたものの、まだまだ忙しい毎日。
それゆえ、自分にとって大切な何かを探していたように思います。
その女性には電車に乗って会いに行きました。
平日昼間の車内は乗客もまばらで、外の明るい田園風景を取り込み白昼夢の様。
サラリーマンの時とは違い、現実離れしていた私の生活がそこに。

2、差し出された手

差し出された手
kh3002

「きれいな手だね。」
「そう?」
言葉とは違って明らかに自信のあるしぐさで、大きな木目のテーブルの上に差し出された彼女の手は、本当にきれいだったのです。
自分が思う本当にきれいなものを自分らしくきれいに撮ろう。
それをハッキリと意識した瞬間でした。
彼女と別れるまで、彼女の部屋は私を受け入れてくれる事はなかったのですが、
彼女のこの手だけが私を優しく繋ぎ止めていてくれた事には、後になって気付きました。

3、きれいに

きれいに
kh3003

ある友人は自分が撮る写真はきれいなだけだと嘆いていました。
私はきれいなものを自分らしくきれいに撮る、それでいいと思います。
過激、ポップなものがもてはやされる中で、私は自分がこの1枚が撮れて良かったと思うものを大切にしたい。
そして、その1枚がつくれた事に、うまく言えませんが感謝に似た気持ちになります。
彼女と出逢えたことと同じように。

4、時間と空間

時間と空間
kh3004

私が好きだったのは、彼女自身だけでなく、
彼女のくちや手、部屋に飾られた花、
かすかに香る彼女のにおい、
それらを感じることの出来る時間(一緒に居られるわずかな)
と空間(日常から切り離された)でした。

5、ふれる

ふれる
kh3005

いとおしく想うものに、ふれたい。
その思いを止める事は出来ませんでした。
自然と私のゆびは彼女の手や肩、首すじ、頬、そしてくちびるにゆっくりとふれていきます。
ゆびさきをすべらせ丁寧に。彼女を感じるために、
自分を伝えるために。

6、宿る

宿る
kh3006

その人から生まれでたもの
(その人のしぐさ、使った言葉、選んだ服、作るお料理など)
には、必ずその人が宿る。
彼女が生けた花を見ながら、そんな事を考えていると、
隣の部屋から彼女の声が。

「きれいに撮ってあげてね。」

7、見つめる

見つめる
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「どうして、そんなに見つめるの?」
「好きだから。見つめる事が。」
「私の事じゃなくて?」
「両方、。」

8、花粉

花粉
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部屋に花なんか飾った事なかったのに、
この時期、私の部屋には花がありました。
それは、
一人の時に彼女の事を思い出せるように。
花びらについた花粉にさえ、
一緒に過ごした時間を思い出せるのです。

9、肌から

肌から
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花はよく性的だと言われます。
確かに、私もそう思っていました。
だけど、
肌に触れる花びらからは、
生を感じました。


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